歯科矯正は大きな費用がかかります。
大きな費用に加え、前歯のみを整える部分矯正でも数ヶ月間程度、すべての歯を動かす全体矯正では2~3年以上の期間がかかることも。
治療費が大きく、長い期間がかかるからこそ、矯正を受ける前は費用についてより理解を深め、患者様ご自身がご納得した上で治療を受けることが大切です。
今回は矯正治療をお考えの方に、「歯科矯正の費用の内訳・お支払いシステム」をご紹介いたします。
■歯科矯正の費用の内訳
◎さまざまな要素により、歯科矯正の費用が構成されます
ワイヤー矯正、マウスピース矯正(インビザライン)などの種類を問わず、一般的に歯科矯正では以下のように費用が構成されます。
①相談料(初診料、カウンセリング料)
②検査料
③診断料
④装置料
⑤調整料(管理料)
⑥保定装置料(リテーナー料)
⑦その他の費用(抜歯、むし歯・歯周病治療、装置をなくしたときの費用など)
①相談料(初診料、カウンセリング料)
費用:0円~10,000円程度
相談料(初診料、カウンセリング料)とは、初めてクリニックを訪れたときにかかる料金です。
現在は矯正の無料相談を行っているところが多く、相談料は無料の場合もあります。
②検査料
費用:30,000円~50,000円程度
検査料とは、精密検査にかかる料金です。
歯科用CTをはじめとして口腔内スキャナーなどの精密機器を用い、矯正開始前に検査を行います。
③診断料
費用:30,000円~50,000円程度
診断料とは、歯科医師による矯正の診断にかかる料金です。
診断ではそれぞれの患者様の歯並びや顎の状態を見極め、精密検査で得られたデータを基に治療計画を立案します。
検査料と診断料をいっしょにしているところもあります(検査・診断料など)。
④装置料
費用:200,000円~1,200,000円程度
装置料とは、ワイヤー装置(ブラケット装置)やマウスピースなど、矯正装置にかかる料金です。歯科矯正の費用の中で、装置料がもっとも大きな割合いを占めます。
⑤調整料(管理料)
費用:3,000円~10,000円程度(都度払い式の場合)
調整料(管理料)とは、矯正装置の調整にかかる料金です。
ワイヤー矯正では1ヶ月に1回のペースで通院いただき、装置の締め直しを行います。マウスピース矯正(インビザライン)では2~3ヶ月に1回のペースで通院いただき、次のステージで用いるマウスピースをまとめてお渡しします。
都度払い式では1回の調整につき、その都度、調整料が発生します。トータルフィー式では全体の調整料が総額に含まれます。
⑥保定装置料(リテーナー料)
費用:10,000円~60,000円程度
保定装置料とは、矯正後の保定で用いる保定装置(リテーナー)にかかる料金です。
⑦その他の費用(抜歯、むし歯・歯周病治療、装置をなくしたときの費用など)
費用:5,000円~10,000円程度(抜歯1本につき)
上記①~⑥のほか、歯科矯正では抜歯、むし歯・歯周病治療、装置(マウスピース)をなくしたときの費用が発生することがあります。
患者様のお口の状態(むし歯・歯周病の進行度合い)やなくしたマウスピースの数などにより、それぞれに料金が異なります。
(※)上記の費用は一般的な歯科矯正における目安の
金額です。原則として、歯科矯正は自由診療の
ため、クリニックによって費用が異なります。
■歯科矯正のお支払いシステム
◎都度払いorトータルフィー、2種類のお支払いシステムがあります
歯科矯正では、主に以下の2種類のお支払いシステムがあります。
・都度払い式
・トータルフィー式
・都度払い式
都度払い式(つどばらいしき)とは、装置の調整や管理にかかる料金をその都度、お支払いいただくシステムです。
・トータルフィー式
トータルフィー式とは、相談料や検査料、装置料など、歯科矯正にかかるすべての料金が総額に含まれているお支払いシステムです。
{都度払い、トータルフィー、どっちが良いの?}
都度払い、トータルフィー、どちらも歯科矯正における一般的なお支払いシステムです。どちらが良く、どちらが悪い、ということはありません。
優劣はありませんが、部分矯正や比較的軽度の歯並びの乱れで矯正期間が短い場合は、都度払い式にした方が全体の費用が安くなるケースがあります。
一方、重度の歯並びの乱れで長い矯正期間がかかる場合は、都度払い式だと費用が大きくなってしまうことも。
【歯科矯正に関する知識を深め、ご納得して治療を受けましょう】
「歯科矯正の費用の内訳・お支払いシステム」についてご紹介をさせていただきました。
矯正は大きな費用がかかります。大きな費用がかかるため、患者様によっては「ぼったくっているのではないか」「不当に利益を上乗せしているのでは」と疑心暗鬼になってしまうケースも。
患者様が疑心暗鬼になると、矯正を行う歯科医師・クリニックとの信頼関係が壊れてしまいます。信頼関係が壊れた状態で矯正を行っても、良い治療結果は得られません。
矯正を開始する前には費用の仕組みや歯の動かし方など、歯科矯正に関する知識を深めていただくことで、患者様ご自身もご納得して矯正を受けられるようになります。