「矯正が終わった後に行う、保定(ほてい)って何なの?」
「保定は矯正に絶対に必要なの?矯正をして歯並びを整え終わったのだから、保定をしなくてもイイんじゃないの?」
矯正治療では歯並びを整えた後、間を置かず、すぐに保定期間に入ります。
保定ではリテーナー(保定装置)を装着します。リテーナーを装着するため、患者さんによっては「矯正が終わったばかりなのに、また、装置をつけなければいけないの?」とめんどくささを感じてしまうことも。
ようやく矯正が終わったのに、リテーナーをつけなければいけないめんどくささ・わずらわしさは理解できます。しかし、矯正治療では保定が欠かせません。保定には重要な役割があるため、矯正後は保定を行う必要があります。
今回は、矯正で行う「保定」についてのお話です。
目次
- ■保定とは
- ◎整えた歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐために保定を行います
- ◎人間の脳は元々の歯並びをいつまでも覚えています
- ◎後戻りが起きた場合は、矯正の再治療が必要になることも
- ■保定装置(リテーナー)について
- ◎簡易的な作りをしている物が多いです
- ■保定期間はどれくらいかかる?保定期間中の通院頻度は?
- ◎矯正期間と同程度の保定期間がかかります
- ◎保定期間中は3~6ヶ月に1回の通院が必要です
- ■保定期間中は、1日何時間リテーナーを装着するの?
- ◎初めのうちは1日20時間以上、リテーナーを装着していただきます
- ◎保定終了後も、継続してリテーナーを装着することが望ましいです
- 【整えた歯並びを維持するために、しっかりと保定を行いましょう】
■保定とは
◎整えた歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐために保定を行います
保定には、矯正治療で整えた新しい歯並びを身体に馴染ませ、後戻りを防ぐ役割があります。
◎人間の脳は元々の歯並びをいつまでも覚えています
人間の脳は、乱れていた頃の元々の歯並びをいつまでも覚えています。
元々の歯並びが脳にインプットされているため、矯正治療で歯並びが整った後も、脳は「あれ?前と違う歯並びだ、元に戻さなきゃ!」と、整えた歯並びを元の位置に戻そうとします。この現象を「後戻り」と呼びます。
上記の理由から、矯正治療(装置で歯を動かして歯並びを整える動的治療)の後にリテーナーを装着して保定を行い、「この歯並びでOKなんだよ」と脳に教えてあげることで新しい歯並びを身体に馴染ませていきます。
新しい歯並びを身体に馴染ませると共に、保定には、歯が元の位置に戻らないよう、後戻りを防ぐ役割もあります。
◎後戻りが起きた場合は、矯正の再治療が必要になることも
生きている限り、一生、起きる可能性がある歯並びの後戻り。患者さんによっては、保定をさぼったことが原因で後戻りが起き、元の歯並びに戻ってしまうケースがあります。
後戻りが軽度であれば、数ヶ月程度、矯正装置をつけることで歯並びを修正できる可能性があります(修正処置)。ただし、後戻りが大きく、元の歯並びに戻ってしまった場合は、最初から矯正治療をやり直すことも(矯正の再治療)。
■保定装置(リテーナー)について
◎簡易的な作りをしている物が多いです
保定期間中は、リテーナーと呼ばれる保定装置を装着していただきます。矯正で用いる装置と異なり、リテーナーは簡易的な作りをしている物が多いです。
リテーナーは主に以下の3種類があります。
①マウスピースタイプ
②ワイヤータイプ
③プレートタイプ
■保定期間はどれくらいかかる?保定期間中の通院頻度は?
◎矯正期間と同程度の保定期間がかかります
気になる保定期間ですが、一般的に、保定は矯正期間と同じくらいの期間がかかります。
矯正期間が1年半の場合は、保定期間は1年半ほどです。矯正に3年かかったときは、保定期間は3年程度になります。
◎保定期間中は3~6ヶ月に1回の通院が必要です
保定期間中は、最初のうちは3ヶ月に1回程度のペースで通院していただきます(※)。保定が進むにつれ、4ヶ月に1回、6ヶ月に1回と通院のペースが減っていきます。
(※)目安です。患者さんや症例により、保定期間中の通院のペースが異なります。
保定期間中の通院時には、歯並びが後戻りしていないかをチェックします。歯並びのチェックと併せ、お口の健康状態も確認します。
■保定期間中は、1日何時間リテーナーを装着するの?
◎初めのうちは1日20時間以上、リテーナーを装着していただきます
保定を始めたばかりの最初のうちは、1日20時間以上、リテーナーを装着していただきます。
保定が進み、新しい歯並びが身体に馴染んできたら、様子を見ながら1日18時間、15時間というように少しずつリテーナーの装着時間を減らしていきます。
保定が終盤に近付き、リテーナーを装着しなくても大きな後戻りの心配が見られなくなったら、保定を終えます。
◎保定終了後も、継続してリテーナーを装着することが望ましいです
人間の脳は乱れていた頃の元々の歯並びをいつまでも覚えており、一生、後戻りが起きる可能性があります。このため、保定終了後も、継続してリテーナーを装着することが望ましいです。
保定終了後のリテーナーの装着は1週間に数時間程度でもかまいません。無理のない範囲で良いので、継続してリテーナーを装着することで、後戻りを防ぎやすくなります。
【整えた歯並びを維持するために、しっかりと保定を行いましょう】
今回は、矯正治療後に行う保定についてご説明をさせていただきました。
矯正治療に欠かせない保定。整えた歯並びを維持するために、矯正後はしっかりと保定を行いましょう。
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岡崎市の歯医者、岡崎ならい歯科 矯正歯科では、日本矯正歯科学会の矯正認定医による、専門性を高めた矯正治療を行っています。
矯正に際しては、歯並びのみを整える矯正治療は原則として行いません。歯並びを整えることに加え、患者さんごとに異なる顎の形状やお顔立ちも考慮しながら、噛み合わせの正常化、および、顎の位置の適正化にアプローチします。
矯正の種類はiTeroにより歯型取りの負担が少ないマウスピース矯正「インビザライン」をはじめとして、通常のワイヤー矯正にも対応しております。ワイヤー矯正は目立ちにくいセラミックブラケットもご選択可能です。
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初診では、患者さんの現在のお悩みやご希望をお伺いします。お話をお伺いした上で、それぞれの方に適した矯正治療について、歯科医師が丁寧にわかりやすくご説明をさせていただきます。